1 / 3123
2016年12月02日

∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part66∧∧

『除雪車』



466 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2013/01/07(月) 19:42:10.17 ID:1KGRDduZ0
知り合いの話。

彼は山奥の町で公務員をしている。
大雪が降った日などは、除雪車に乗って雪を片付けるのも仕事なのだそうだ。
その除雪車が何やらおかしかったらしい。
それに乗って雪を掻き出していると、何故かよく動物を巻き込む。
甚だしい時は、一回の出動で四、五匹も巻き込んだ。
目撃した人の話では、まるで動物の方から飛び込んでくるように見えたのだという。
気になった彼が調べたところ、その車両は、過去に人身事故を起こしていたことがわかった。
中古購入だったのだが、前の仕事場で人を一人死なせていたらしい。

そんなある冬、役場の若衆がもう少しで腕を巻き込まれる目に遭った。
幸い事故にならずに済んだが、この若衆が不気味なことを言う。
「側に寄ると、誰かに掴まれたように、車側にグッと引かれるような感触があって。
 それで体勢を崩してしまったんです」

結局、車両不良ということにして、その車はあまり使われなくなった。
そしていつの間にか廃車にされてしまったということだ。『コツコツ峠』


467 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2013/01/07(月) 19:44:51.20 ID:1KGRDduZ0
友人たちの話。

彼らバイク乗りの間で、気味悪がられている峠があるのだという。
「そこの峠を攻めていると、ヘルメットが後ろから小突かれるんだ。
 何か固い物で、コツコツって。
 感触としては、人の拳骨みたいな物で、軽くコツッと突かれるような」
「いや、誰も後ろには乗ってないんだけどね。
 真後ろを走ってるライダーからも、何も異常は確認されていないし」
「俺たち、そこのこと、コツコツ峠って呼んでいるんだ」
「でもコツられる奴って、大体面子が同じなんだよなー。
 何か決まりでもあるのかなー?」

話を聞かされた私は、つい軽い気持ちで言ってしまった。
「コツコツされる人って、イケメンに限られるんじゃないの?」
正直なところ、コツコツ体験者は特に美男でも醜男でもないと思うが。
相当に適当な思いで口にした私の言葉に、ライダー達の雰囲気が変わった。変わってしまった。

彼らは今も、気味が悪いのを無視してコツコツ峠を攻めている。
その日コツられた者が、『その日で一番イケてるライダー』ということで、
帰りにファミレスで皆に一杯奢るという決まりになったのだそうだ。
「えっ、奢るの? 奢られるんじゃなくて?」
聞き間違えたかと思い、そう問い直すと、
「イケメンライダーは心も財布も広いんだぜ」と得意げに答えられた。
……まぁ、仲が良くて何よりである。


2016年08月15日

∧∧∧山にまつわる怖い話Part6∧∧∧


740 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/02/12 00:36
アメリカで山岳ガイドに聞いた話。

ある州には、松林しか生えていない荒れ果てた山々があるそうだ。
『大昔、白人の婦人が産み落とした化け物がうろついている』という伝説があるらしい。

ガイドがこの地でキャンプした時に、遠くの松林の中で奇妙な物が見えたという。
光る球が何個も連なって、山谷を渡って行くのだ。

首を傾げている彼に、先輩ガイドが教えてくれた。
正体がわかるほど近づいた者はいない。
過去にはいたらしいが、皆、夜の山に呑まれたように行方不明になっているという。
地元の住人の間では、話題にすら上げられないのだと。

そこまで聞いて、彼はそれ以上関わらないことにしたのだという。
.

752 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/02/12 02:31
>>747 「大昔、白人の女性が産み落とした」ってところが、白状しちゃいますと、
この化け物ってジャージーデビルのことです。
山の怪談・・・というより、都市伝説の部類かなぁ。
でも、今でも目撃談が時々あるみたい・・・Xファイルでも取り上げてたし。
同じ地域だし、松林の怪火と何か関係あるのでしょうか。

2016年08月14日

∧∧山にまつわる怖い・不思議な話Part63∧∧


88 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :2012/07/10(火) 18:14:17.17 ID:7z/4eY+20
友人の話。

彼はその昔、山深い集落に住んでいたのだが、そこには変わった決まり事があった。
そこの納屋は大体が屋外に据えられていたのだが、ここに入る時には、
その中に人が居ようが居まいが、戸を開ける前に「開けるぞ」とか「入りますよ」と一声掛けないといけないというのだ。
何でも、その集落には“納屋の婆”と呼ばれる怪人がいて、不用意に納屋に入るとこれに出会すからだという。
うっかり出会ってしまうと、黄色い歯を剥いて襲い掛かってくるのだと。
その昔、神隠しにあった者が出ると、それは運悪くこの婆に連れて行かれたのだろうと囁かれていた。
恐ろしい反面、人を嫌っているようで、そのため外から声を掛けらると姿を隠すのだということだ。
「一種の山姥みたいな感じで恐れられてたよ。
 実際は、いきなり余所へ入るなっていう、戒めなのかもしれないけどな」

現在彼は街に下りて暮らしているが、
例え自分の部屋に入る時にでも、ノックして声を掛ける習慣は身に染みついているそうだ。

2016年08月12日

∧∧∧山にまつわる怖い話Part5∧∧∧


636 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/01/07 22:21


知り合いの話。

彼の先祖に、羽振りの良い男衆がいたのだという。
猟師でもないのに、どうやってか大きな猪を獲って帰る。
ろくに植物の名前も知らぬくせに、山菜を好きなだけ手に入れてくる。
沢に入れば手の中に鮎が飛び込んでき、火の番もできぬのに上質の炭を持ち帰る。
田の手入れをせずとも雀も蝗も寄りつかず、秋には一番の収穫高だ。

彼の一人娘が町の名士に嫁入りする時も、彼はどこからか立派な嫁入り道具一式を手に入れてきた。
手ぶらで山に入ったのに、下りてくる時には豪華な土産を手にしていたそうだ。

さすがに不思議に思った娘が尋ねると、「山の主さまにもらったのだ」と答えた。
その昔、彼は山の主と契約を交わしたのだという。
主は彼に望む物を与え、その代わり彼は死後、主に仕えることにしたのだと。

何十年か後、娘は父に呼び戻された。
彼は既に老齢で床に伏せていたが、裏山の岩を割るよう主に命じられたという。

娘は自分の息子たちを連れ、裏山に登った。
彼の言っていた岩はすぐに見つかり、息子が棍棒で叩いてみた。
岩は軽く崩れ割れ、その中から墓石と、白木の棺桶の入った大穴が現れた。
誰がやったのか、彼女の父の名がすでに刻まれていた。

話を聞いた彼は、無表情に呟いたそうだ。
「埋められる所まで用意してくれるとは思わなんだわ」

それからすぐに彼は亡くなり、まさにその墓に埋葬されたのだという。


2016年06月29日

∧∧∧山にまつわる怖い話Part13∧∧∧


359 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/10/02 23:38:42 ID:UXyuxyzL
友人の話。

彼の実家の山村では、時々おかしな存在が出たという。
それは、村の衆から『出来損ない』と呼ばれていた。

炭焼きをしていた彼の祖父も、『出来損ない』を見たことがあるという。
薪の山のすぐ横を、灰色の兎のようなものが駆け抜けたのだと。
それは確かに兎の耳と胴体を持っていたが、決して兎ではなかった。
その頭部には目も口もなく、その身体を動かしていたのは黒い蟋蟀の脚だった。

その後も小屋の近くで何度か見かけたそうだが、その度に段々と本物の兎らしくなっていったのだそうだ。
『出来損ない』の正体は誰も知らなかったが、
「おそらく山の動物を真似しているのだろう」と村では言われていた。

まれに、人間を真似しようとした出来損ないが出たらしい。
そうなると、しばらくは誰も山に入れなかったそうだ。
過去に人間に化けた何かが出たことがあるのだろうか。

今は炭焼きや猟をする人もおらず、『出来損ない』がまだいるのかはわからない。

2016年06月28日

∧∧∧山にまつわる怖い話Part17∧∧∧



759 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :05/01/26 23:29:29 ID:fZ9uf7yX0

同僚の話。

一年に何度か、地の山の草刈りを近所皆でおこなうのだという。
親戚のお婆さんと一緒に鎌を振るっていると、いきなり、お婆さんの目の前に蛇が鎌首をもたげた。蝮だ。
緊張する彼を尻目に、お婆さんはすぐさまチョン!と蛇の首を刎ねてしまった。
のたうつ細長い体をつかんで投げ棄てながら、目を丸くしている彼に向かってお婆さんが言った。

「昔ね、躊躇って中途半端に蛇を傷つけた人がいるのサ。
 そうしたらね、その人の子供の首に、日に日にぱっくりと傷が開いてきた。
 どんな薬でも治らずに、ふとその蛇のことを思い出して供養してみたところ、あっと言う間に治ったんだと。
 だからね、変に恨みとか持たれないよう、スパッと行っちゃう方が良いのサ。
 蛇には何とも可哀想なことだけどね」

お婆さんが続けて言うには、蛇が祟るのは総じて気が弱い人間なのだそうだ。
「あいつら本当は弱いからね」
どうか僕の前には蛇が出ませんように。そう祈りながら草刈りを続けたという。


2016年06月13日

∧∧∧山にまつわる怖い話Part4∧∧∧

412 :雷鳥一号:03/12/01 00:55

知り合いの話。

夏休みに家族で、山へキャンプに行ったのだそうだ。

夜、ふと目を覚ますと父親がいない。
テントから顔を出すと、父親と灰色の影がぼそぼそと話をしていた。
彼女は父親がいることに安心して、そのまま寝てしまったという。

山から帰ってくると、父親はいきなり身の回りの整理を始めた。
遺言を書き、財産分けまで済ませてしまい、家族はずいぶんと驚いたらしい。

整理が終わるとほぼ同時に、父親は逝去した。心臓麻痺だった。
親族から、まるで自分の死期を知っていたようだと言われたそうだ。
彼女は、そのキャンプ場には二度と近づかないと言っている。



413 :雷鳥一号:03/12/01 00:56

知り合いの話。

仲間と二人で、冬山でのロッククライミングに出かけた時のこと。
天候が急に崩れ、岩棚の途中で数日足止めを食らった。
これは危ないかなと弱気になっていると、同行した仲間がさらりとこう言った。
「大丈夫、俺の寿命はまだあるから、ここは生還できるはずさ」
どういうことかと問うてみた。
聞くと昔、彼は山で出会った何者かに、自分の寿命を教えてもらったのだという。
それの正体が何なのかは分からないが、彼自身は不思議と信じているのだと。

次の日には吹雪は止み、彼らは怪我も無く下山できた。
彼の寿命がいつなのかということまでは、さすがに聞けなかったそうだ。



414 :雷鳥一号:03/12/01 01:00

友人の話。

彼のお祖母さんは、かつて胃癌の手術を受けたことがある。
手術をしてからというもの、お祖母さんは元気を失くしてしまったのだという。
健康状態に問題は無いのだが、何をする気にもならなかった様子だった。

そんな時、お祖母さんの友人から「遊びにおいで」と誘いが来た。
出かけるのを渋る祖母を、家族皆で気分転換に行っておいでと送り出した。

数日後、帰ってきた祖母は見違えるように元気になっていた。
「私はまだ二十年は死ねないんだよ」
そう言って、色々な学習やボランティア活動に顔を出し始めたのだという。

お祖母さんの友人に、「どうやって励ましたのですか」と父が尋ねたところ、
「何もしていませんよ」と答えられた。
ただ、その友人の家は山中にあるのだが、
どうやら祖母は、そこで出会った誰かに「良いことを教えてもらった」と言っていたらしい。
少々不気味だが、「塞ぎこんでいるよりは元気な方が良い」と家族は言っている。

2016年06月11日

∧∧∧山にまつわる怖い話Part17∧∧∧

900 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :05/01/30 22:51:21 ID:u5hd+prZ0

友人の話。

彼女の実家は山奥深い村だ。
今は廃村となってしまったが、そこで奇妙な物を幾度となく見たという。

友達と二人で遊んでいた時のこと。
村外れの山麓だったのだが、後ろの藪をガサガサと揺らして何か出てきた。
茶色い毛並みの兎だった。しかし何かがおかしい。
兎なのに、二本足で与太つきながら歩いている。
口元からは血が滴っており、赤く染まった前歯が覗いていた。
何よりも怖かったのはその目だった。完全に据わっている。兎の目ではなかった。

兎は値踏みするように彼女らを見ていたが、すぐにこちらに向かってきた。
悲鳴を上げて逃げ出したが、村の近くまで追いかけられたという。
行き会った大人に泣きついたのだが、事情がわかった途端に村中大騒ぎになった。
「外道さんが出た」
大人たちは口々にそう言って駆け回っている。
彼女たちはしつこく「噛まれなかったか?」と問い質された。
兎一匹のために山狩りまでおこなわれたようだが、結局見つからなかったらしい。

教えてもらったところでは、その山奥には外道さんという物の怪がいるそうだ。
外道さんは山の生き物に取り憑く。
憑かれた物は肉を喰らうようになり、間もなく血塗れになって死ぬ。
外道さんに噛まれると、噛まれた者もまた外道さんに成ってしまうのだと。
そのためか、二人はしばらく隔離されて様子を調べられた。

彼女が言うには、兎も確かに怖かったが、
それよりも村中の子供たちから「外道」と呼ばれて虐められたことが、子供心に何より堪えたのだそうだ。

2016年06月01日

∧∧∧山にまつわる怖い話Part11∧∧∧


673 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:46 ID:xes23ovJ

知り合いの話。

仕事でイギリスに出張した際、現地の同僚から変わった話を聞いたという。

その同僚がまだ幼い頃、彼の家では犬を飼っていたそうだ。
実家の山村からもらった、白い雑種犬だった。
色々と変わった所のある犬だったらしい。
普通、犬猫の類いは、目を見つめるとすぐに視線を逸らす。
好奇心や注意が続かないためらしいが、その犬はじっと見つめ返してきた。
根負けして視線を外すのは、いつも彼の方だったという。

ある日、身体の調子が悪く、学校からいつもより早く帰宅した。
門を潜り庭を歩いていると、いつもは彼を迎える犬が出てこない。
どうしたのかな?と思い、犬の名前を呼びながら犬小屋を覗いてみた。
愛犬の姿は見当たらず、小屋の床には何か毛のような物が堆積していた。



674 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/08/17 00:46 ID:xes23ovJ

持ち上げてみて、思わず悲鳴を上げる。
それは可愛がっていた犬の毛皮だったのだ。
悪い冗談のように目と口が黒い穴を開けており、微かに温もりが残されていた。

ショックで泣き喚きながら、母屋へと駆け込んだ。
驚きながら迎えてくれた母親に、「犬が剥かれちゃった」と訴えた。
慌てて外に出ようとする母子に、「バウッ!」という吠え声がかけられた。
見ると、玄関のすぐ外に犬が座り込んで、尻尾を振りまくっていた。
犬は激しく息を弾ませていた。まるで慌てて駆け戻ってきたかのように。
それを見た母親が、「嘘を吐くのもいい加減にしなさい」と説教をする。
いくら「本当に見たんだ!」と言っても、もう相手にされない。

奥に引っ込んだ母親を恨めしく思いながら、彼は犬の前にしゃがんだ。
いつもは目を逸らさない犬が、その時だけはツッと余所を向いた。


2015年12月01日

∧∧∧山にまつわる怖い話Part5∧∧∧

15 :雷鳥一号:03/12/17 18:25

私の体験した話。

仕事で、ある山奥の集落に行った時のこと。
現場の近くで、おかしな歩き方をする野良犬を見かけた。
その犬は右の前足を失っていた。

昼時になり弁当を食べていると、別の犬が現れた。
これも右前足を失くしており、可哀想に思っておかずを少しわけてやった。
すると匂いを嗅ぎつけたのか、他の野良犬が三頭現れた。
どれも一様に同じ足を失っていた。
犬たちは喧嘩することもなく、おとなしく餌を分けあっていた。

結局、帰るまでに十頭近くの犬を見かけたが、全て右の前足を欠いていた。
うち四頭は、鎖で繋がれた飼い犬だった。
集落の人にそれとなく尋ねたのだが、皆ニコリと笑って、
「事故にでもあったのだろう」と、判で押したように答えてきた。

少し後に再訪したが、その時は怪我をした犬の姿は一頭も見当たらなかった。
あれは偶然だったのだろうかと、今でも不思議に思っている。

1 / 3123
怖い話・怪談カテゴリー